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グレン・キンチー 2 [ローランド]

タイン川の支流が流れ、蒸留所がその名を冠する
キンチーの谷の中心地にグレンキンチー蒸留所は位置しています。
スコットランド北部で僕たちが見てきたような
野生的でロマンチックな景色ではありませんが、
独自の静謐な美しさを湛えています。

glenkinchie.jpg

蒸留所の真南はラマームアの丘で、
最高地点は2000フィート(約609メートル)に及びます。
丘の麓からフォース湾に向かって扇状地が広がり、
この地域で収穫された大麦のみが蒸留所に供給されてます。
蒸留所の両側はまばらに木々に覆われ、
地面にはわずかに雪が散っており、
荒涼とした景色が持ち合わせない優雅さを演出していました。


蒸留所が置かれている自然の状況を
経営者たちは十分に活かしています。
入り口ゲートの左側には、2棟ある巨大な保税倉庫の1つがあり、
もう1棟はゲートの右手に位置しています。
保税倉庫の裏手から敷地の端まで伸びているのはバーレーロフトで、
蒸留所の位置する丘の麓にあり、
ウイスキー製造に用いる大麦が貯蔵されています。
丘の頂上には2基の巨大なホッパーがあり、
ここへ荷馬車から大麦が投入され、
100フィート(約30.4メートル)のシュートを伝って
バーレーロフトへ至ります。
シュート上には梁が渡され、レールが敷設されています。
車輪で宙吊りにされたバスケットが走り、
大麦を目的の場所まで運搬することが出来ます。
このレールは、巨大な二階建ての建物で、
バーレーロフトとは幅の広い中庭で隔てられているモルティングハウス(制麦棟)まで伸びています。
バーレーロフトとモルティングハウスは吊り橋で繋がっており、
両端は面が傾いています。
バーレーロフトで大麦で満たされた運搬箱は、
中庭上を横断して直接スティープへ至り、
中身を空にすると反対側へ戻り、
また工程が繰り返されます。

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A・バーナード
1887年刊
蒸留所探訪記
"The Whisky Distilleries of the United Kingdom"翻訳ブログ

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