SSブログ

ブラッドノック 2 [ローランド]

僕らはホテルから馬車に乗って1マイル(約1.6キロメートル)先の
郊外地にあるブラッドノックへ至りました。
ブラッドノック蒸留所訳注)は、名前の由来になっている村の入り口にあり、
と同時に美しいブラッドノック川の沿岸に位置しています。
蒸留所は中庭を囲い、正方形を成す建物群で構成されています。
1817年に現経営者の父親と伯父であるジョン・マクレランドとトーマス・マクレランドにより設立されました。
1878年に蒸留所は拡張・近代化され、
現在の敷地面積は2エーカー(約8千平方メートル)ですが、
経営者所有の農地50エーカー(約20万平方メートル)が隣接しています。
所内で使用する水は水車堰を水源としており、
ブラッドノック川の上流にあります。
上斜式水車が全ての蒸留所の動力を賄っています。


僕らはまずモルティングハウス(制麦棟)を見学しました。
主に石造りの建物で、
寸法は長さ118フィート(約35.9メートル)
幅28フィート(約8.5メートル)で、
スレート葺きの屋根を持ち、
木造部分は赤に塗装されています。
3階建てで、地上階は制麦場
上階は大麦貯蔵庫となっており、
各々石造りのスティープ(浸麦槽)を有しています。
この他に2棟の貯蔵庫があり、
寸法は95フィート(約28.9メートル)×32フィート(約9.7メートル)で
同様の構造になっています。
中庭の右隅と左隅にはキルン(乾燥塔)があり、
巻き上げ機を備えています。
床は多孔鉄板で、ピートによって加熱を行います。
中間にある建物の上階はモルト貯蔵庫になっており、
キルンと同じ階層です。
下階はミル(粉砕室)とグリストロフト(粉砕麦芽置き場)です。
敷地の四辺を成す建物に戻り、次に僕らはマッシュハウス(糖化棟)を訪れました。
採光の明るい建物で、
寸法は40フィート(約12.1メートル)四方、
2基の温水加熱タンクは容量が計5千700ガロン(約25.9キロリットル)、
マッシュタン(糖化槽)は直径16フィート(約4.8メートル)
深さは5フィート半(約1.67メートル)、
内部には攪拌器を備えています。
水路の階層に埋設されているのはアンダーバック
容量は3千ガロン(約13.6キロリットル)、
ワート(麦汁)を冷却するには優れた構造とされています。


中庭から数段上がり、僕らはバックハウス(醸造棟)に至りました。
ここには壁に沿って6槽のウォッシュバック(醸造槽)があり、
この内2槽は容量6千ガロン(約27.2キロリットル)で、
4槽は3千500ガロン(約15.9キロリットル)です。
さらにミラー社製冷却機の容量3千500ガロンのウォッシュチャージャーがあります。
ここへワートは遠心分離ポンプで汲み上げられます。
案内人に従い、僕らは次にスティルハウス(蒸留棟)に至りました。
蒸留所では最も古い部分で、3基の旧式なポットスティルがあり、
ウォッシュスティル(初留釜)の容量は1万3千ガロン(約59キロリットル)、
2基のローワインスティルの容量は各々400ガロン(約1.8キロリットル)です。
この後僕らはレシービングルームで
3槽のローワイン/フェインツレシーバー、
スピリットセーフ、容量400ガロン(約1.8キロリットル)のスピリットレシーバーを見学しました。
屋外には3槽のワームタブがあり、
ブラッドノック川の水で満たされています。
そこに隣接して、
容量530ガロン(約2.4キロリットル)のヴァットを有するスピリットストア(樽詰め室)、
税務官と蒸留所の事務室があります。
保税倉庫は4棟あり、
第二の中庭の周囲に位置しており、
計805樽、8万0705ガロン(約366.8キロリットル)を貯蔵中です。


ピート小屋は美しい建物で、
鉄柱に支えられスレート葺きの屋根を持っています。
主要な中庭には小規模なクーパレッジ(製樽作業場)と樽倉庫があります。


製造しているのは純粋なモルトで、年間生産量は5万1千ガロン(約キロリットル)です。





訳注
bladnoch_r.jpg
管理人は、昔の「花と動物シリーズ」の印象が残っていて、
ディアジオ所有だとばかり思っていたのですが、

Malt Whisky Yearbook 2017: The Facts, the People, the News, the Stories

Malt Whisky Yearbook 2017: The Facts, the People, the News, the Stories

  • 作者: Ingvar Ronde
  • 出版社/メーカー: MagDig Media Ltd
  • 発売日: 2016/10/13
  • メディア: ペーパーバック


こちらの本や公式サイトを参照して学んだのですが、
現在は単一蒸留所所有の小規模なオーナーシップなのですね!


2017年には創立200年を記念したボトルが発売されているようです!
素敵ですね!
nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント


A・バーナード
1887年刊
蒸留所探訪記
"The Whisky Distilleries of the United Kingdom"翻訳ブログ

-

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。