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グレンタラス 1 [ローランド]

エスク川を後にして、
川岸から続く急な丘を登って行くと
すぐさま高台にたどり着きました。
そこからは形容しがたいほど美しい、
丘の麓や川沿いの風景を見渡すことが出来ます。
高台を馬車で走って行くと、
折り重なる木々の葉の間に
グレンタラス蒸留所を垣間見ることができ、
遠くから見ると、
それはさながら絵のように美しい風景です。
遥かに下方にはタラス川が流れ、
谷に沿って黄色いつる草が群生しているようにも見えます。
高い尾根から
谷へと続く道へ降り、
左に折れて川沿いへとやってきました。
この美しい谷を支配するのは、
際立つ静けさで
聞こえてくるのは川のせせらぎと
水車の音だけです。
周囲を覆うのは豊かな緑で、
蒸溜所の塀まで深い雑木林が繁っています。
信じ難いことですが、
こんなにも静かな環境の中に、
活気溢れる工場が存在することに
蒸溜所の近くまで来て初めて気付かされます。
入り口の近くまで来ると、
御者が敷地の遠くの端に位置する
所長の邸宅を指差して教えてくれました。
二つの小川に挟まれた島の上に建てられた、
とても美しいコテージで、
蒸溜所からは完全に切り離されています。


グレンタラス蒸溜所は1839年に
スコットランド人のJ・ケネディ氏によって設立されました。
そして1872年に現在の会社の経営となりました。


美しいタラス川が敷地の前面を流れており、
蒸溜所の建物は全て、
タラス川の川床を構成する石や岩から造られています。
敷地には細長い建物が立ち並び、
一方の端はより細くなっています。
そして、敷地面積は
作業員の住宅と所長の邸宅と合わせて、
約4エーカー(1万6000平方メートル)あります。
最寄りの旅客駅はランガム駅で、
4マイル(約6.4キロメートル)遠方にありますが、
経営会社は1マイル(約1.6キロメートル)先に貨物の引き込み線を持っています。
蒸溜所で使われているのは玄武岩の上を滝となって流れ落ちる
ゴールサイク川の水で
蒸溜所背後の峡谷を通る導水管で
敷地内に引き込まれています。

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A・バーナード
1887年刊
蒸留所探訪記
"The Whisky Distilleries of the United Kingdom"翻訳ブログ

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