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グレンマヴィス 1 [ローランド]

僕らはバスゲートに向けて、
土曜朝早めに出発しました。
バスゲートは繁栄を謳歌する街で、
エディンバラから20マイル(約32.1キロメートル)離れており、
人口はおよそ4千人です。
ここには歴史的な興味を引く美しい教会がありますが、
周辺の領地共々、マルコム四世からホリールードの僧侶たちに贈られたのだそうです。
街は他にも計り知れないほどの歴史的遺物を所有しています。
街そのものが、ロバート・ブルースからレディ・マージャリーへの持参金として
かの有名な州長官ウォールターへ贈られたものでした。
ウォルター自身はこの地で最期を迎えました。
グレンマヴィス蒸留所は、
その名を冠する小さな谷のほとりに位置しており、
バルダルディーの領地と隣接しています。
どこからでも周辺の田園地帯を美しく眺めることができ、
地表の起伏からしてイングランドを思わせます。
蒸留所敷地の上方では緑地の中の谷を小川が流れ、
木々の生い茂る土地は蒸留所の裏手まで続いています。
僕らの訪問時、導管の水量がとても豊富で、
水車に辿り着く前に幾つかの小さな滝が形成されていました。


グレンマヴィスは美しい景色の場所で
可愛らしく古めかしい蒸留所です。
創立は1800年近辺で、1831年に現在の経営者の所有となりました。
鉄道の駅からは1マイル(約1.6キロメートル)の距離にあり、
敷地面積は3エーカー(約1万2千平方メートル)です。
右手の小山には蒸留責任者の美しい邸宅があり、
蒸留所の敷地に隣接しています。
蒸留所は3つの区画に分かれており、
中央部の主要な区画にはスティルハウス(蒸留棟)、
ミル(粉砕棟)、マッシュハウス(糖化棟)、タンルーム(醸造棟)があり、
全てが丘の傾斜地に建設されています。


僕らはまずバーレーロフトへと案内されました。
長さ80フィート(約24.3メートル)幅24フィート(約7.3メートル)の
三階建ての建物の上部二階層が大麦貯蔵庫で、
地上階はコンクリート床の制麦場になっており、
通常のスティープ(浸麦槽)があります。
他にも4棟のバーレーロフト、
巨大な制麦場と保税倉庫がバスゲートの街中にあります。
ドアを潜り、僕らはモルトデポジットに至りました。
20フィート(約6メートル)四方の建物で、
堅固な石造りのキルン(乾燥塔)が隣接しています。
キルンは28フィート(約8.5メートル)四方で、
床はワイヤーを編んだ網敷き、加熱炉による乾燥です。
僕らの案内人は次にミルへの道へと導いてくれました。
建物の反対側の端にあり、丘を半分登った所にあります。


乾燥したモルトは台車でモルトデポジットへ運ばれますが、
これはミル(粉砕棟)の上層階に位置しています。
僕らはミルへ至るために素朴な外階段を登りました。
ここでモルトはホッパーへ落とし込まれ、
階下のミルへ至ります。
ミルには一対の粉砕機とモルトローラーがあります。
粉砕されたモルトはエレベーターで直接、
隣接した建物内のマッシュタン(糖化槽)上のホッパーへ運搬されます。


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A・バーナード
1887年刊
蒸留所探訪記
"The Whisky Distilleries of the United Kingdom"翻訳ブログ

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