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カークリストン 3 [ローランド]

道路を再び横切り、
スティルハウス(蒸留棟)に次の注意を向けました。
とても壮大な建物は、
高さ40フィート(約12.1メートル)
80フィート(約24.3メートル)四方で、
中央部で区画分けされています。
第一区画への入り口近くにはトウモロコシ用の第一マッシュタン(糖化槽)があり、
さらに奥にはトウモロコシ用の第三マッシュタンがあります。
その近くには巨大な屋内水車があり、
丘の上の貯水池から水が供給されています。
水車は水やフェインツ、スピリッツを汲み上げる為に使われています。
モルトウイスキー用のランニング・セーフもここにあり、
4槽のフェインツレシーバーと4槽のスピリットレシーバーがあります。
第二区画には6基のポットスティルがあり、
それぞれの容量は5千600ガロン(約25.4キロリットル)
8千ガロン(約36.3キロリットル)
2千740ガロン(約12.4キロリットル)
1千861ガロン(約8.4キロリットル)
1千550ガロン(約7キロリットル)
1千800ガロン(約8.1キロリットル)です。
ウォッシュ(もろみ)やフェインツなどを汲み上げる為に
6式の三連クランクポンプがあり、
小さな洗浄ポンプ用エンジンと
6式のウィリソン社製垂直型コンデンサー、
そして、とても原始的な形式のワームタブがあります。


ローライン/フェインツチャージャーもこの建物にあり、
レンガ製の奥まった場所には、
コフィー製連続式蒸留器と繋がった、
3槽の奇妙なタンクがあるのが見えました。
円筒状の形をしており、1つは熱いフェインツ、
他の2つはフーゼル油を取り出す用途で使われています。
連続式蒸留器のある建物はとても天井が高く、
ポットスティルの部門は隣り合わせです。
内部には強力なコフィー製連続式蒸留器があり、
一時間で3千500ガロン(約15.9キロリットル)のもろみを蒸留できます。


次に僕らは道路を横断し
納税済みのラッキングストアを訪れました。
美しいレンガ造りの建物には
3槽のヴァットがあり
それぞれ容量は649ガロン(約2.9キロリットル)
869ガロン(約3.9キロリットル)
2千004ガロン(約9.1キロリットル)です。
ここに隣接してスピリットストア(樽詰室)があり、
2槽のヴァットの容量は
9千640ガロン(約43.8キロリットル)
9千651ガロン(約43.8キロリットル)です。
中庭の中央端には2箇所ある税務官事務所の内の1箇所があります。
もう1箇所は蒸留所責任者の事務所の隣にあります。
この蒸留所には6名の税務官が駐在しており、
ヘンダーソン氏が監督官です。


6棟の巨大な保税倉庫は、
とても壮麗な建物で、
敷地内に点在しています。
僕らの訪問時は8千955樽、
合計80万0781ガロン(約3千640キロリットル)のウイスキーを貯蔵中で
中にはとても熟成年数の古いものがあるそうです。


主要な道沿いには大規模なクーパレッジ(製樽作業場)、建具師の作業場、厩舎、馬車庫、
そして前述したドレグハウスがあります。
ここでも固定式の消防車を備えており、
15の消火栓があります。


中央の中庭の周囲には以下の建物群、
イーストハウス(酵母舎)、技師整備師作業場、
倉庫、ガス工場、醸造責任者事務所、エンジン及びボイラー室があります。
エンジン及びボイラー室内部には13基のエンジンがあり、
80馬力のエンジンが1基、
35馬力のエンジンが1基、
10馬力のエンジンが10基、
6馬力のエンジンが1基あります。
ボイラーは6基あり、長さは30フィート(約9.1メートル)
直径は7フィート(約2.1メートル)です。


敷地を見下ろす丘の上には可愛らしいレンガ造りの邸宅があり、
蒸留所の責任者が在住しています。
以前は経営者の邸宅だった、
古めかしく絵のように美しい建物の敷地には古風な庭園があり、
現在は事務員と重役の事務所になっています。


経営会社はここから3マイル(約4.8キロメートル)離れた
クイーンズフェリーに巨大な倉庫や熟成庫を所有しています。
総面積はおよそ2エーカー(約8千0093平方メートル)で、
瓶詰め設備の面積は1エーカーです。
これら熟成庫のスピリッツの在庫は、約20万ガロン(約909キロリットル)です。


カークリストン蒸留所(訳注)ではモルトとグレーン両方のウイスキーを製造しており、
市場では高い評価を得ています。
年間生産量は70万ガロン(約3千182キロリットル)です。






訳注

こちらの本によりますと、

The Scottish Whisky Distilleries: For the Whisky Enthusiast

The Scottish Whisky Distilleries: For the Whisky Enthusiast

  • 作者: Misako Udo
  • 出版社/メーカー: Distillery Cat Publishing
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: ペーパーバック


カークリストン蒸留所は1920年に閉鎖された後も
DCLの酵母の製造施設として継続し
製麦場(サラディンボックス施設)としても稼働していた時期があったようですが、
その後それら施設も閉鎖され、
敷地は自家醸造キットなどを製造販売する会社に売却されたそうです。



kirkliston.jpg
古地図リンク
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A・バーナード
1887年刊
蒸留所探訪記
"The Whisky Distilleries of the United Kingdom"翻訳ブログ

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